職場のルールブックとは?
就業規則を基に職場内のルールやルールに込めた経営者の思いや考えを解りやすく、より具体的に表現し、小冊子にまとめたものです。
就業規則には、従業員が守らなければならないこと(義務)を明確 に定めておくことが必要です。しかし、事細かくルールを守らなけ ればならない理由を就業規則に定めようとすると、就業規則が膨大な量になってしまい、結果として、守らなければならないルールを従業員に伝えることは難しいでしょう。
職場のルールブックを活用して、ルールに込めた経営者の思いや考えを伝えてください。
職場のルールブックの特徴
職場のルールブックは、企業の秩序を守り、従業員として期待していることなど、伝えるべ
きことを解りやすく表現し、事業主や管理職が従業員に対してきちんとモノを言えるようにす
ることに狙いがあります。
■法的な用語をできるだけ避けるなど、従業員に解りやすい言葉で表現する。
■現場ですぐ使えるような判断の基準をできるだけ具体的に示す。
■企業や業種に合わせた内容の具体例が入っている。
■日頃から現場で活用しやすいように工夫する。
■優先度の高いものからピックアップして、適度な分量にまとまっている。
職場のルールブックで何を伝えるのか?
職場のルールブックに示すこと、すなわち何を伝えて行くべきかは企業それぞれの状況や
目的によって異なります。会社として従業員に何を伝えなくてはならないのか、従業員にど
うあってほしいのかを真剣に議論する必要があります。
例えば、職場規律に関することを取り上げるとすると、次のような内容が考えられます。
■基本的な就業上のルール
(例)・始業時刻、終業時刻とはどのような状態を言っているのか
・休憩をとるときに注意すること
・休暇を取る手順や留意すること
・退職時のルール 等々
■禁止事項
(例)・業務中の私用行為の禁止
・個人情報や営業機密情報の流出を防ぐために留意すること
・法令、条例に反する行為の禁止 等々
職場のルールブックをより効果的なものにするためには、重要事項を重点的に記載することがポイントとなります。伝えるべきことの優先度をよく検討し、適度な分量にしておくことが重要です。
職場のルールブックの活用事例
ルールブックを作成し、職員に期待する言動や基準を明示することは重要ですが、それを配付するだけでは規律の改善にはつながりません。
最も重要なのは、実際に職場で活用していくことです。
■現場における指導教育の基準として
管理職の中には、部下の問題行動について十分に注意指導できない者もいます。部下の
ポジションで勤務していた期間に注意指導を受けた経験がなかったりすると、注意指導の
方法や、自分の判断基準に迷う場合もあり、また従業員から反論があった場合でも、ルー
ルブックで具体的に明示された職場の基準に従った対応をすればよいので、管理職もきち
んと部下に注意指導ができるようになります。
■入職時の教育での活用
新入社員に対するオリエンテーションや新入社員研修で社内ルールを説明する場合にも、
わかりやすく具体的に記載されているため、新入社員教育ツールとして有効です。
■朝礼の時に読み上げて説明
朝礼等の場を利用して、ルールブックの内容を読み上げ確認します。マンネリ化を防
ぐために、すべての項目ではなく数項目ずつ取り上げ、いろいろな角度から説明すると
よいでしょう。また、その項目について実際にあった事例の簡単なディスカッションを
行うとさらに効果的です。
■人事考課面談時のチェック項目として
ルールブックの項目を人事評価基準のひとつとして活用することを予め従業員に説明して
おき、評価項目として活用します。特に評価面接を実施する際には、日頃の行動のチェッ
クリストとして使用し、承認や具体的な指導に結び付けることができます。
■採用面接での資料として
採用面接の実施前にルールブックに目を通してもらい、面接で感想を尋ねたり、反応を
見たりすることで、人物評価にも役立てられます。また、ルールブックにより職場規律と
して会社が求めている内容や従業員の姿を伝えることができるため、入社後のミスマッチや
トラブルを抑制することができます。
職場のルールブックサンプル
このサンプルは、職場のルールブックの一部を表示しています。
皆様の会社に応じたルールを定めることができます。
・接客マナーに関すること
・服装や身なりに関すること
・緊急時の対応方法に関すること
・職場の安全に関すること